最近、箕面市教育委員会(大阪府)の先進的な取り組みを知った。
箕面市が行なっている子どもに関する全ての施策を教育委員会に一元化し、情報の分断を無くし、子どもの状態を多面的に把握し必要な対応が速やかに提供出来るシステムになっている。また、一人ひとりの子どもの状況を0才から18才まで定期的に観察することで、学力や心理状態が悪化した場合にその変化を補足し、対応できるようになっている。
この様な、問題の本質にアプローチした対策をしている自治体はほとんどない。なぜなら、問題の本質を理解している人が施策を作ったり、実行したりする人の中にほとんどいないからだ。このシステムは当時の箕面市長だった倉田哲郎さんがリーダーシップを取って作って行ったそうだ。
明石市の泉市長は、幼少期に障害を持つ兄弟との生活の中で直面した理不尽な体験が現在の施策に大きく影響している。
是非、箕面市が2020年に国の秋のレビューの為に作ったプレゼンに目を通して頂きたい。特に最初の数ページから、強い熱意や決意の様なものを感じて胸を打たれた。「貧困の連鎖を断ち切ること」がテーマになっており、私達のスローガンと似ているので親近感を覚えた。「貧困」と書いてはいるが、箕面市の取り組みは当然、貧困だけではなく、子どもの生活環境が何らかの要因で悪化している場合に補足できる様になっている。
・参考人4( 外部サイトへリンク )(箕面市ホームページより・元のページはコチラ)
・2020年秋のレビュー ・2021年秋のレビュー
私がこの取り組みを知った記事
・山田 太郎 ブログ「こども成長見守りシステム」箕面市の先進事例に学ぶ
当時の倉田市長のインタビューも示唆に富んでいる
・多くの教育委員会は意思を持っていない -箕面市長 倉田哲郎氏 HOLG CO.,Ltd.
・【箕面市長 倉田哲郎氏:第1話】頑張った人が報われる 自治体の給与制度改革 HOLG CO.,Ltd.
秋のレビューの中で、申請の煩雑さに触れられているが、煩雑な手続きを実行出来る能力のある人は、そもそも支援を必要とする状況になる事は少ない。そう言った煩雑な事が困難であるが為に、生活が困窮してしまうのだ。その事を、このシステムを運営している側の人は理解していない。なぜなら、自分が困った事が無いからである。
知事や市長には大きな権限があり、自治体の施策の自由度もかなり高い。その為、各自治体の施策はリーダーの考え次第で非常に大きな違いがある。そしてリーダーを決めるのは選挙である。その意味で、この社会を作っているのは私達一人ひとりの意識とそれが集まった集団意識と言える。ここ最近も、虐待死や心中など凄惨な事件が続いている。人の心を破壊するのも人なら、救うのも人である。
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